九鬼和子のプロフィールと経歴|日本が誇るランジェリーデザイナーの全貌

日本のファッション業界には、静かに、しかし確実に変革をもたらしてきた人物がいる。九鬼和子(くき・かずこ)——その名を知るのは、下着へのこだわりが人一倍強い女性たちや、補整ランジェリーの世界に精通した業界関係者だけかもしれない。だが、彼女が生み出したブランドと哲学は、日本の女性の「着心地」と「美しさ」に対する考え方を根底から変えてきた。

九鬼和子 ランジェリーデザイナー 日本

九鬼和子とは何者か――プロフィールの基本

九鬼和子(Kazuko Kuki)は、日本のランジェリーデザイナーであり、補整下着ブランド「Retour(ルトゥール)」の創設者だ。補整下着、つまり体のラインを整えながら着心地も追求するという、両立しにくい命題に正面から向き合い続けてきたデザイナーである。業界歴は長く、神戸を拠点に活動を展開している点も、彼女のキャリアを語るうえで欠かせないポイントだ。

彼女のプロフィールで特筆すべきは、単なるデザイナーという枠を超えた存在感だ。商品を作るだけでなく、直接フィッティングを行い、顧客一人ひとりの体型や悩みに向き合う。オーダーメイドの世界へも積極的に踏み込んでいるのが、他のランジェリーデザイナーとの明確な違いと言える。

補整下着ブランド「Retour(ルトゥール)」の設立

株式会社ルトゥールは、平成15年(2003年)9月3日に設立された。創業から20年以上が経過した今もなお、九鬼和子は同社の代表として第一線に立ち続けている。会社の資本金は1,500万円で、兵庫県神戸市中央区に本社を置き、事業内容は下着販売事業および下着卸売事業だ。

ブランド名「Retour(ルトゥール)」はフランス語で「帰還」や「戻る」を意味する。これは偶然の命名ではない。本来の自分らしい体のラインへ「戻る」こと、下着と身体の正しい関係性を「取り戻す」こと——そういった深いメッセージが込められている、と業界内では広く解釈されている。

Retour ルトゥール 補整下着ブランド

Jelly Bras®——革新的なシームレスブラの誕生

九鬼和子の名を一躍広く知らしめたのが、「Jelly Bras®(ジェリーブラ)」というブランドだ。九鬼さんが監修するブランドJelly Bras®は、ドレスに響かないシルエットと体への負荷を減らしながら着用できるという魅力を兼ね備えたシームレスブラだ。その名が示すとおり、Jelly(ゼリー)状の樹脂を用いた接着技術を採用している点が最大の特徴で、縫い目のないスムースなラインが洋服の上からも美しいシルエットを生み出す。

「ぷるるんメイク はくJellyブラ」はテレビショッピングや通販サイトでも人気を集めている。「はくJellyブラ」という独自の表現も、着用者の視点に立った製品思想を象徴している。ワイヤーが体に食い込む不快感、背中に走るストラップのずれ——そうした女性が長年抱えてきた不満を、ゼリー素材の弾力性と接着技術で解決しようとした発想は、業界に新鮮な衝撃を与えた。

QVCでの活動と全国的な知名度

九鬼和子のプロフィールを語るとき、QVC(通販テレビチャンネル)での存在を外すことはできない。QVCでは「九鬼さんインナー」として複数のシリーズが展開されており、長年にわたって多くのリピート購入者を持つ人気ブランドとなっている。テレビの前でその説明を聞き、一度試したら手放せなくなる——そんな体験談がSNSやレビューサイトに数多く寄せられている。

QVCにおける九鬼和子の魅力は、製品の質だけではない。彼女自身がオンエアに登場した際に見せる熱量、そして商品への深い愛着と説明力が、視聴者の心を引きつけてきた。「九鬼さんのインナーやっと販売されて嬉しいです」「次回を楽しみにしています」といった購入者の声は、単なる商品評価を超えた、デザイナーへの信頼と親しみを表している。

九鬼和子 QVC インナー テレビショッピング

オーダーメイド下着という哲学

大量生産・大量消費が当たり前のファストファッション時代に、九鬼和子が一貫して重視してきたのがオーダーメイドという選択肢だ。九鬼さんのフィッティングのもとで希望のデザイン・素材をお選びいただける、という形で受注会が開催されている。既製品では拾いきれない個人差——バスト形状、体幹のバランス、皮膚の敏感さ——こうした細部に向き合うことが、九鬼和子の仕事の本質だと言っていい。

オートクチュールに携わるデザイナーが九鬼さんに下着を制作してもらったことをきっかけに、ランジェリーにおける美しく心地よいフィッティングに大変感銘を受けた、と語っている。これは、九鬼和子の仕事が業界内の専門家からも高く評価されていることを示す証言だ。彼女のオーダー下着は、ただ「サイズを測る」だけでなく、その人の日常の動き方や着用する洋服のデザインまでを踏まえた上で設計される。

神戸という拠点が意味すること

九鬼和子の活動拠点は神戸市だ。これは地理的な偶然ではなく、彼女のブランドDNAと深く結びついている。神戸はかつて西洋文化が最初に上陸した都市のひとつであり、ファッションや洋装の歴史と切り離せない街だ。フランス語のブランド名、ヨーロッパ的なデザイン美学、そしてオートクチュールに近い手仕事への敬意——九鬼和子の世界観は、神戸という土地柄と見事に共鳴している。

街の国際性、港から漂うどこか異国情緒のある空気、そして関西の女性文化が育む「おしゃれへの真剣さ」。それらが混ざり合う場所で、九鬼和子はその仕事を磨いてきた。彼女のブランドが持つ洗練されたムードは、神戸という都市のキャラクターと無縁ではない。

神戸市 ファッション ブランド 港

九鬼和子が提唱する「下着と女性の関係」

九鬼和子のプロフィールを単なる肩書きや会社の沿革として語ることには限界がある。彼女を理解するには、下着に対する哲学的なスタンスに目を向ける必要がある。補整下着というカテゴリーは、ともすると「体を矯正する」という強制的なイメージで語られがちだ。しかし九鬼和子が追い求めてきたのは、矯正ではなく「本来の体の美しさを引き出すサポート」だ。

正しく体に合った下着を着けること——これは美容や健康の観点からも重要な習慣だが、日本ではまだまだ意識が浅い。九鬼和子はその啓蒙者として、デザイナーとしての枠を超えた役割を担ってきた。フィッティングの場では単に採寸するだけでなく、体の状態を観察し、姿勢や重心のバランスまでを視野に入れた提案を行うという。

幅広い世代に支持される理由

特筆すべきは、九鬼和子の製品が特定の年齢層に偏っていない点だ。QVCの購入者レビューでは「九鬼さんインナーはもう20枚以上あり、毎年新色が出るのを楽しみにしていた」と語るファンの声がある。リピーターがこれほど多い理由は、製品の機能性だけでなく、着るたびに実感できる「体への優しさ」があるからだろう。

年配の女性から働き盛りの30〜40代まで、幅広い支持を集める背景には、九鬼和子が一貫して「着る人の立場」から製品を作り続けてきたという姿勢がある。トレンドを追うことよりも、着用者の日常をどれだけ豊かにできるか——この問いが、彼女の仕事の中心にいつも据えられている。

九鬼和子の現在と今後の展望

ランジェリー業界全体がサステナビリティや個別最適化へと舵を切る中、九鬼和子がこれまで貫いてきた「一人ひとりに向き合う姿勢」は、むしろ時代の最先端と重なってきている。オーダーメイド、フィッティング重視、体への負荷の軽減——これらのキーワードはいずれも、現代の消費者が求めているものと一致する。

九鬼さんが監修するJelly Bras®は、用途に合わせたさまざまなデザインを展開している。シームレス技術の進化とともに、今後もラインナップの拡充が期待されるところだ。神戸から発信されるその存在は、ファッション業界における一種のオルタナティブな価値観として、ますます輝きを増している。

Jelly Bras ジェリーブラ シームレス 補整下着

九鬼和子 プロフィールまとめ

九鬼和子は、日本が誇るランジェリーデザイナーであり、補整下着の第一人者だ。2003年に神戸で「株式会社ルトゥール」を創設して以来、オーダーメイドへのこだわりとフィッティングを通した顧客との直接対話を大切にしながら、独自の世界を築き上げてきた。Jelly Bras®というシームレスブラブランドの監修、QVCでの精力的な活動、そして各地での受注会——どの局面においても、彼女の視線は常に「着る人の体と心」に向けられている。

名の知れた大ブランドや海外の有名デザイナーほど派手な露出はないかもしれない。しかし、彼女を知る人々の間での信頼の厚さは、どんな広告費も買えないものだ。九鬼和子という存在は、日本のファッション史において、静かでありながら確かな足跡を残し続けている。

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